とある日
麦まきの頃、あるおばあさんが、畑の前を通りました。
ふと立ち止まると、顔をじっと見ています。
「おら、中村さんちゅう人の顔、一度見てえと思っていたんだ。話には聞いていたけんど」。
おばあさんは、また顔をじっと見て、ゆっくり立ち去っていきました。
減反田に大豆や小豆を作っているおばさんは、穫り入れの頃になるといつもなげくこと・・・。
「まったく私は種を播くのはいいけど、いっぱいできるとほんとに恐しいじゃんね。こんなにできてどうしっか」。
大豆や小豆の穫り入れは、本当に手間がかかるのです。